適応型」の意味はゲーム・ モードに入ったネットワーク

若かりし頃の両親が熱中し、今では物置で眠っているステレオ・タイプのゲーム機とは比べものにならないほど、eスポーツはめざましい進化を遂げています。 eスポーツ・リーグは、アスリートが高額な賞金を目指して互いに競い合う、人気の高いオンライン・ゲーミングです。 eスポーツがオリンピック種目に入るという話もあります。

eスポーツ大会は、単に観戦するだけでなく、誰もがバーチャル競技者として対戦相手を選んで、どこからでも参加できるデジタル没入型イベントです。

ときには数千万人がライブ・ストリーミングで参戦または観戦するサイバー競技では、一瞬の差が金メダルと銀メダルの勝敗を分けます。まさに、バーチャル体験に必要なのは完璧さです。 将来のネットワークに向けて、オリンピック並みの挑戦が繰り広げられそうですね。

チャレンジングなeスポーツのほかにも、多くのスマートフォン・ユーザーの間で「スーパーカジュアル・ゲーム」が人気の的になっています。 モバイル・プレーヤーは、カジュアル・ゲーマーか本格派かを問わず、従来はコンソール、ノートパソコン、PCでなければ実現できなかったような種類の高度なグラフィックスとゲームプレイに期待しています。

クラウド・アーキテクチャーとビデオ圧縮により、モバイルでのゲームプレイは進化していますが、ゲーム中の操作は、ユーザーが使用するネットワーク品質と機能に左右されます。 モバイル・ネットワーク事業者が5Gの主要な使用事例の1つとして、プレミアム・モバイル・ゲーミングを挙げていたとしても、少しも不思議ではありません。

数百万のモバイル・ゲーマーが、拡張現実、デジタル・キャンディーの消し方、仮想ブリックの積み上げを試したり、海を隔てた相手と対戦したりしている現状を見ても分かるように、 ゲームプレイの時間は予測不可能で、大量のデータ処理が発生するイベントであるというニューノーマル（新常態）に、ネットワークは適応する必要があります。

大学の奨学金の付与や人生を一変させるほどの賞金の獲得が可能なeスポーツの世界では、バーチャル・コーチングと呼ばれるまったく新しいメタ・ビジネスが登場しています。

とはいえ、ゲーマーのゴルフ・スイングを分析して矯正するには、中断のない高解像度ビデオだけでは十分ではありません。リアルタイム・データと検出不可能なほどのレイテンシーが必要です。 ゲームプレイの再トレーニングでコーチが能力を発揮できるかどうかは、ミリ秒単位のレイテンシーと分析によって決まります。つまり、超高速接続サービスは、単なる参入コストにすぎなくなってきています。

高額な賞金がかかったトーナメントで複数の競技者を同時に指導するバーチャル・コーチも、プレッシャーという点では、上位を目指すプレーヤーと同じです。需要が多い瞬間であってもブロードキャスト・エクスペリエンスと同じ速度で実行される、遅延のない大容量データ・ストリーミングに期待が集まる中、ネットワークは、没入型のゲームの世界よりもさらに高いアジリティー、インテリジェンス、ダイナミクスを備える必要があります。