ネットワーク事業者は、次世代通信サービスとアプリケーションへの対応力を高めるために、IPネットワークの構築方法を破壊的に変革する方法を探し続けてきました。しかし、今、急務となっていることは何でしょうか。

最新化されたIPネットワークのニーズを牽引する主要な領域は3つあります。

  1. 5Gの大規模展開
  2. 住宅用ブロードバンド・アクセス・ネットワーク需要の増大
  3. 分散化されたクラウド・アプリケーションへと向かう変化に対応するためにメトロで推進されているマルチレイヤー統合

従来のIPアプローチは、これらのトレンドによってネットワークにもたらされる新しい需要に十分に対応できるだけのスケールアップと即応性を提供することができません。

実際、新たなIP伝送のニーズはかなりの期間にわたって確立されてきました。世界中の事業者が、新たな方法でIPネットワークを構築して、過去ではなく現在のニーズに対応できるようになるにはイノベーションが必要であると表明しています。これらの事業者が必要としているのは、IPに対するオープン化、自動化、効率化のアプローチであり、Cienaはまさにその実現に注力してきました。

Cienaは、これまで数年にわたり、アクセス、エッジ、メトロ・ネットワーク向けの新しい次世代プラットフォームを実現するために、ルーティング・スイッチング・ポートフォリオを刷新してきました。Adaptive IPTMアプローチを基礎とするCienaのポートフォリオは、IPネットワークに対する新しい考え方を先取りするものでした。直近の15ヶ月を振り返っただけでも、7つの新しいプラットフォームを市場投入し、2件の買収(VyattaとBenu Networks)を締結し、Tibitを買収する正式契約を締結したこと、サムスンとの戦略的なパートナーシップ契約に署名したことを発表しました。

An adaptive IP diagram in Japanese

ソフトウェアの観点からは、より柔軟なネットワーク・スケーリング、運用の簡素化、柔軟性の向上を目指す技術に投資してきました。これらのすべてが、メトロ・ネットワークの進化における重要な側面となります。当社は、EVPN、セグメント・ルーティング、BGPの継続的な進化のような未来志向の技術に集中投資することによって、より高度なインテリジェンスとアプリケーションがエッジ付近に移動するなかで事業者がネットワーク変革を推進するのに役立つ技術を獲得しています。

SRv6のような技術に早期に対応したことで、Cienaは、より柔軟かつプログラム可能なネットワークへの進化を模索する事業者が最初に選定するベンダーとしてのポジションを確立しています。Cienaのディスアグリゲーション型のソフトウェア・アーキテクチャは、新しい技術との容易な統合に加え、Adaptive IPアプリケーションとの強固なレベルの統合も提供します。これは、標準の上位装置インターフェイス、強力なOAM/SLAモニタリング、豊富なテレメトリーを軸に構築されている高度にプログラム可能なモデル・ベースのインフラによって実現されます。

その結果は、どうでしょうか。当社は、ネットワークを単純化する最新のIPソリューションをお客様にお届けすると同時に、「次に来るもの」に備えています。

5Gの需要に対応

まず、5Gについて解説します。業界は統合xHaulトランスポート機能の方向へ進み続けていますが、ネットワーク事業者は、エンドユーザーがコストの最小化と新しい収益の最大化と同時に5G対応機器のメリットを活かせるようにするために、ネットワークをパフォーマンスの最適化に対応できる状態にするという難しい課題に直面しています。事業者は、適切なプラットフォームとソフトウェアを選択してアーキテクチャを進化させることにより、4Gから5Gに移行する際の各社固有のリスクを回避する必要があります。手動で処理されているレガシーIPトラフィックをエンジニアリング、ステアリングする負荷や、より新しいシリコンが提供するソフト/ハード・スライシングのような高度な機能に適応する必要性を考えると、簡単なことではありません。

当社はこれを踏まえて、お客様の4Gから5Gへの変革をサポートする能力を強化するために、お客様に選択肢を提供できる技術の導入と戦略的な動きを組み合わせています。

Cienaは2020年に、51645166、および5168の3つの新しい800G xHaulパーパスビルド・プラットフォームを含むxHaulポートフォリオを発表しました。これらのプラットフォームは、4G/5GのxHaul(フロントホール、ミッドホール、バックホール)ネットワークを共通の専用設計のインフラに統合するだけでなく、新世代のホールセール接続も実現します。大幅なスケールアップに対応するこれらのプラットフォームは密度の高い都市に最適でしたが、より細かい粒度が必要であったため、Cienaは、2021年に51305131を発表して製品ファミリーを拡張しました。これらのプラットフォームは、ミッドレンジの屋内と屋外の両方の基地局の360Gの要件に対応します。しかし、これで完成ではありません。今年に入ってから、Cienaは3984と3985の高度なエッジ・ルーター・プラットフォームを市場投入し、80Gまでの容量が必要な屋内と屋外の小容量の要件に対応することで、ポートフォリオのさらなる拡充を図っています。

どのような成果があったでしょうか。現在、適正な規模で高精度の同期とネットワーク・スライシング機能を提供する、Adaptive IPベースのスモール、ミディアム、ラージ・サイズのプラットフォームを含む最新ファミリーを提供しています。

住居用ブロードバンド – 刷新

現在、住宅用ブロードバンド事業者は、増大する需要に合わせて自社ネットワークを変革し、デジタルデバイドを解消するという大きな課題に直面しています。ビジネスの財務目標の達成と持続可能な住宅用ブロードバンドの提供を同時に実現することが目標であるなら、現状を維持することさえできないでしょう。1Gまたは2.5Gで稼働する従来のGPONソリューションは、パンデミック以降にサービス・レートが急上昇している現在の市場で競争力の維持に必要な容量を確保できていません。10G PONの時代が到来しており、費用対効果の高い方法でネットワークをスケールアップ・ダウンして顧客の需要に対応するために、新たな方法でPONを実現することが必要になっています。

Cienaは、お客様が住宅用ブロードバンド・ネットワークを10Gにスケールアップできるようにサポートすると同時に、将来の25G、50G、または100Gに向けた基盤を構築しています。CienaのPONアーキテクチャは、ポート単位の革新的なプラガブルuOLTモデルを実現するユニバーサル・アグリゲーション・ソリューションを基盤とし、スロットに差し込むだけで、単一プラットフォームでPONサービス、イーサネット・サービス、またはIP/MPLSサービスを提供できます。事業者の手に制御が戻ります。直近の12ヶ月でブロードバンド分野の新規グローバル顧客が25社以上増えたことは(そのうちの1社は米国のTier 1サービス・プロバイダー)、驚くに当たりません。

当社はこの気運に乗り、Tibit Communications, Inc.の買収意向を発表し、Benu Networksの買収契約を締結しました。TibitとBenuの両社が加わることで、Cienaの既存のポートフォリオは、住宅向け、企業向け、固定ワイヤレス・アクセスなどの広範なブロードバンド・アクセス・ユースケースをサポートするように強化されます。

他のプロバイダーと同様にCherry Capital社がCienaを頼る理由: 「特に地方での展開においては、スペースの制約と過酷な天候の問題がしばしば発生します。Cienaの高密度で耐環境性がある管理しやすいソリューションは、移行に伴うリスクを回避して、工程を簡素化するのに役立ちました。特に、Cienaのプラグイン形式のOLTモジュールは、伝送コスト、設置スペース、消費電力の削減に効果がありました。これらは、当社の経済性にとって重要な要因です。」 - Cherry Capital社CEO、ティム・マイロン(Tim Maylone)氏

メトロ・ネットワーク統合

5G、ブロードバンド、クラウドのユースケースで帯域需要が増加していることも、お客様がメトロ・ネットワークの設計方法の再考を迫られる難しい課題となっています。ネットワーク・エッジでは、企業顧客と個人ユーザーが作成および利用する新しいサービス、コンテンツ、アプリケーションが急増しています。これにより、アクセスとアグリゲーションのネットワーク全体で予測不可能な新しいトラフィック・パターンが増加しており、メトロ・ネットワークを対応可能な状態にする必要性が顕在化しています。

この点を踏まえた当社の認識では、お客様はもって生まれた拡張性と持続可能性を備えた、統合および調整されたマルチレイヤー・メトロ・ネットワークを構築するオプションを検討中です。つまり、設計を段階的に向上させることができる、管理を複雑化しないアーキテクチャです。

このような理由から、当社はコヒーレント・アグリゲーション・ルーティング機能の拡張を早急に進めています。現在、8100ファミリーには5つのプラットフォームが揃っており、当社のルーティング・スイッチング・ポートフォリオの対象範囲は、大幅なスケールアップを実現するアグリゲーションとメトロの分野にまで拡大しています。このようなプラットフォームのニーズは現実に存在します。実際、2022年度の前半には8100プラットフォームの利用者数が50社を超え、当社はマイルストーンを達成しています。

メトロ・ネットワークをスケーリングすることに加え、事業者はIP/オプティカル統合によってネットワーク効率を向上させたいと考えています。Cienaは最近、コヒーレント・ルーティングはマルチベンダー・インフラ全体にわたって統合ネットワークの管理の容易さとパフォーマンスの最適化を促進すると同時に、持続可能性の目標をより短時間で達成できるように設計されていると発表しました。目標の早期達成は、設置スペースと消費電力の要件を軽減する統合メトロ・ネットワークを構築することによって可能になります。

導入は着実に進んでいます。当社のコヒーレント・アグリゲーション・ルーターの普及が拡大し、コヒーレント・ルーティングが早期の成果を達成できたことは、市場がメトロの進化とIP/オプティカル統合のメリットの獲得に関心を寄せていることの現れです。

「Cienaのコヒーレント・ルーティングにより、トランスポート、モバイル・バックホール、商用ブロードバンドのようなサービスの帯域ニーズの増大に直面しているお客様に対応するために、効率的にスケールアップできるようになりました。」 - PFN社CTO、ウィリアム・トッド(William Todd)氏

ここからどこに向かうのか?

Adaptive IPアプローチを基礎とするCienaのルーティング・スイッチング・ポートフォリオが非常に短期間で大きな発展を遂げたため、このブログでは様々な事柄を取り上げました。ご高察のとおり、当社はこれまでの成果と継続的な投資によってもたらされる可能性に期待しています。しかし、帯域需要の急増やクラウド・ベースの新しいアプリケーションの急成長を見ても分かるとおり、業界はペースを落としていません。当社も同様です。

Cienaは2023年以降、新たなIP伝送と将来のアーキテクチャをお客様に導入していただけるようにすることで、次世代メトロのビジョンを実現していきます。

ご期待ください。新たなIP伝送に関する当社の取り組みは、まだ始まったばかりです。