今回は、4回シリーズのMCPアプリケーション・ブログの第2回目となります。全シリーズについてはこちらをご覧ください。 

前回のブログでは、ネットワーク運用を最高レベルのインテリジェントなネットワーク制御に最新化するCienaの5つの重要なMCPアプリケーションが、いかに成功の切り札となるかについて概要を説明しました。 5つのMCPアプリケーションとは、具体的にはCienaのMCPドメイン・コントローラー、Advanced Apps、PlannerPlus、Emulation Cloud、およびMCPサービスです。それでは、エースのカードとなるAdvanced Appsを詳しく見ていきましょう。

機能性と賢さを高めているネットワーク・インフラでは、機器の状態を示す大量のリアルタイム・データと大量のトラフィックが生成されます。しかし、これらのテレメトリーは、利用可能でなければ役立てることはできません。MCPのAdvanced Appsは、マルチレイヤー・ネットワーク・データと主要パフォーマンス・メトリックを極めて明確かつ直感的な方法で可視化する一連のアプリケーションです。ネットワーク運用チームは、Advanced Appsを使用して重要なインサイトを収集し、最適な情報に基づいて運用上の対策を決定することができます。MCPの統合インターフェイス経由で、サードパーティーのIPルーターや外部通信システムのデータにもアクセスできます。このようにユーザー・エクスペリエンスが単純化されることは、運用ライフサイクルのあらゆる段階で、より迅速かつ正確に作業を実施できるようになることを意味します。 Advanced Appsには、Adaptive IP™ AppsLiquid Spectrum™、Enhanced Operationsの3つのカテゴリーがあります。

Adaptive IP Apps:IPネットワークのパフォーマンス最適化

IPネットワークはユビキタスであるとは言え、その管理の複雑さはよく知られているところです。インターネット接続需要が急増している現状に呼応して、5Gやエッジクラウドのような次世代技術が導入されています。それにより、パフォーマンスと信頼性の大幅な向上と同様に、IPネットワークが持つスケールアップ・ダウンと動的な特性がますます必要とされています。CienaのAdaptive IPソリューションは、ネットワーク事業者がIPネットワークを変革してこれらの課題を解決するのをサポートする目的で開発されました。​Adaptive IPソリューションの中核となるのは、Adaptive IP Appsです。MCPと連動するAdaptive IP Appsは、IPネットワーク運用を単純化、自動化、最適化します。

Adaptive IP Appsは、マルチベンダー環境のIPネットワーク内のすべての装置を包括的に可視化します。マルチベンダーの可視性は、とりわけ重要です。なぜなら、これによってサービス・プロバイダーは最善の組み合わせのIPインフラを選択できるようになり、パフォーマンスをネットワーク全体にわたってエンドツーエンドで最適化できるからです。MCP GUIの視点から、ネットワークのリアルタイムの状態とルーティング動作に関連するパフォーマンス・メトリックのすべての詳細を常に確認することができます。問題原因の分析の迅速化を目的とする、ルーティングとパフォーマンスの変化を経時的に表示する非常に便利でユニークな再生機能があります。この機能のおかげで、過去を明確に振り返れるようになりました。

Adaptive IP Appsは、分析とプランニングの重要な3つの機能を提供します。

  1. リアルタイム・ネットワーク・モニタリング。遡及的なパス認識型パフォーマンス分析機能によってパスを過去の時間間隔で可視化することにより、IPネットワーク問題を短時間でトラブルシューティングできます。また、what-ifモデリングの構成オプションを使用してネットワークの変更を計画することにより、将来の問題を回避することもできます。
  2. リアルタイム・サービス・モニタリング。主要パフォーマンス指標を経時的にオーバーレイ・サービスに関連付けるサービス認識型の分析サポートにより、サービスのパフォーマンスをモニタリングし、より迅速に問題を診断して解決することができます。 それに加えて、IPサービスのwhat-ifモデリングにより、事前対応的にプランニングを実施して将来にわたってSLAをより厳格に遵守できます。
  3. 自動化トラフィック・エンジニアリング。この機能を実現するのは、ネットワーク・ポリシー、制約事項、ネットワーク状態に基づいてアクティブ・パスとバックアップ・パスの最適な設計を可能にする経路計算エンジン(PCE)です。サービス・ターンアップを迅速化して、SLA違反のリスクを軽減することができます。

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図1:Adaptive IP AppsにおけるIPネットワーク・トポロジー表示

それだけではありません。言うまでもありませんが、IPネットワークは基盤となるオプティカル・トランスポートのパフォーマンスに左右されます。CienaがLiquid Spectrumと連携するAdaptive IP Appsを設計した理由はそれです。IPネットワークと光ネットワークを連携させて、卓越したマルチレイヤー・パフォーマンスの最適化を促進します。このような連携は、IPレイヤーと光レイヤーにおいて容量の過剰なエンジニアリングを回避し、CapExを削減する有効な手段となります。また、サービス・プロバイダーがネットワーク・エッジで容量を追加するときに構築を最適化して、メトロとアクセスにおいてIPと光の技術を統合するのにも役立ちます。

Liquid Spectrum:既存の光ネットワーク・リソースから最大の価値を抽出

Liquid Spectrum Appsにより、プランニングから、サービス・デリバリー、運用、最適化までの光ライフサイクル全体にわたり、パフォーマンスを最適化してネットワーク効率を最大限に向上させることができます。これらの高性能アプリケーションは、Cienaのプログラマブルな光インフラからリアルタイム・テレメトリーを収集して、高度な分析を適用してネットワークの状態を解釈し、MCP内でデータを直感的に表示するために、現在使用されています。精度の高いこれらの分析(利用可能なチャネル・マージン、通信システムのパフォーマンスやファイバーの問題箇所の正確な特定など)を活用して、MCPのインターフェイス経由で変更を即座に実行し、ネットワーク・パフォーマンス、効率性、可用性を最適にバランスさせることができます。

Enhanced Operations:意思決定を強化するデータと傾向

極めて直感的な方法で広範なデータを表示するEnhanced Operations Appsは、マルチレイヤー・ネットワーク管理の大幅な効率化、ネットワーク問題の軽減、より迅速な問題解決に役立ちます。これらのアプリケーションは、ネットワーク事業者の日々の作業で大きな部分を占める時間がかかる反復的な作業を単純化します。これらのアプリケーションの1つであるNetwork Utilizationは、リンク、ファイバー、機器、ネットワーク・エレメントのプロビジョニング/消費された容量のリアルタイム統計を見やすい表およびヒートマップの形式で表示します。また、人的介入が必要な場合はしきい値通知を自動生成します。もう1つの重要なアプリケーションであるNetwork Trendsは、スケジューリングとオンデマンドによる運用/パフォーマンス測定値レポートを提供します。これにより、ユーザーは予測パターンを見つけて、それに応じてネットワークの成長を計画することができます。正しく設定されていないネットワーク・エレメントを特定したい場合は、Configuration Audit Appによって簡単に見つけることができます。

Visualization+of+Transport+Services+link+capacity+utilization+and+SNR+margin

図2:トランスポート・サービスのリンク容量、使用率、SNRマージンをひと目で確認できる可視化機能

次回の内容:PlannerPlus 

今回は、サービス・プロバイダーのマルチレイヤーIP、イーサネット、光の広範なネットワークを制御するリアルタイム・インテリジェンスにより、Advanced Appsがネットワーク運用を強化する方法を確認しました。次回のブログでは、もう1つの切り札であるPlannerPlusをご紹介します。PlannerPlusは、ネットワーク運用の変革を成功に導く、Cienaの統合されたオンラインのネットワーク設計およびプランニング・ツールです。