クラウド・コンピューティング、OTTビデオ、4Gバックホール、IoT、その他の広帯域の使用事例によってトラフィック量が爆発的に増え続けているため、ネットワーク事業者の運用環境では従来のIPネットワークが大きな課題となっています。 アクセス、アグリゲーション、メトロのネットワーク容量を増やすには、より多くのルーターが必要であるため、結果として機器、不動産、電力、冷却、管理、サポートのコストが上昇し続けています。 ネットワークのあらゆる場所でIPルーターが必要となるため、通常は管理とサポートの要件が非常に複雑になります。

このようなモデルは、将来的に立ちゆかなくなることが明らかになりつつあります。

先進的な考えを持つ多くの事業者は、アグリゲーション・ネットワークの将来的な拡張性に対応するためにイーサネットを利用しています。 統合されたIPとイーサネットにより、多数のIPルーターを、極めて拡張性の高い統合ネットワークと連携するより少数の装置に置き換えることが可能になってきています。その結果、ネットワークの占有面積と運用コストが削減されます。 ネットワーク・アーキテクチャーと顧客構内機器(CPE)も使いやすさが増しているため、ネットワークの導入、管理、監視がより簡単になっています。

また、最先端のイーサネット機器は、オプティカル・トランスポート・レイヤーとのシームレスな統合が可能であり、オンデマンドの拡張性を提供します。 利用可能な容量を増やすために新しい装置を追加する必要がないため、事業者は増大するトラフィック需要に難なく対応することができます。

その他のメリットとして、主要なネットワーク機能を集中化し、「アプリケーションに依存しない」ネットワークを構築できる点も挙げられます。これにより、ビジネス・イーサネット、モバイル・バックホール、仮想ネットワーク機能(VNF)、住居用ブロードバンドなどのレイヤー2と3のサービスを非常に効率的な同一の統合アーキテクチャーに同時に導入することができます。

将来拡張性の高いネットワークを実現する機能

アグリゲーション・ネットワークが現在と将来のニーズに対応するには、高い俊敏性と拡張性を備え、トラフィックをビジネス・ユーザーと個人ユーザーを含むエンドユーザーとの間、またはデータセンター、オフィス、インターネット、その他の場所にできる限り費用対効果の高い方法で伝送できなければなりません。

真に将来拡張性の高いイーサネットとIPの統合ネットワークを実現する6つの主要な機能は、以下のとおりです。

1) 統合された効率的なサービス・デリバリーを実現する組み込みのIPプロトコル - MPLSコア・ネットワークにトラフィックをハンドオフするために、従来はモジュール式のIPネットワークが使用されてきました。 新しいIPサービスが作成されると、それらをサポートするためにネットワーキング機能が追加されるため、一部のIPプロトコルと機能しか使用されない、複雑でコストがかかるアーキテクチャーでした。

最先端のアグリゲーション・ソリューションでは、この問題を解決するためにイーサネットとIPの機能を最適に組み合わせています。 より使いやすく効率化されたAdaptive IP TMを使用して、セグメント・ルーティング、L2/L3 VPN、IPv6などの高度なL3プロトコル・サポートを提供します。これにより、10Gと100Gの高速ルーター・ポートなど、すべてのネットワーク資産と投資を最大限に有効活用し、複数のトラフィック・タイプをサポートできます。 つまり、費用対効果の高い同一のイーサネット・アーキテクチャーで、ビジネス・イーサネット、モバイル・バックホール、VNF、住居用ブロードバンドなどのレイヤー2と3のサービスとその他の主要なサービスを提供できます。

このアプローチの主要なメリットの1つは、実際に使用するつもりがない、冗長性を目的とするIPプロトコルのコストを不要にできることです。 また、コア、アグリゲーション、アクセスにわたるネットワーク全体を一般的なMPLSトランスポート機能を使用して管理することができます。これにより、エンドツーエンドのプロビジョニングが簡素化されます。 全種類のサービスを単一の統合ネットワーク・アーキテクチャーでサポートできるため、従来の静的なネットワークを段階的に廃棄し、運用効率と収益性を最大化する柔軟なアーキテクチャーに置き換えることができます。

2) 使いやすく効率的で反復可能なネットワーク・アーキテクチャー - 多くのネットワーク事業者が、複数のベンダーから調達した機器が使用され、異なるアーキテクチャー上に構築された、オーガニック・グロースであるか買収であるかを問わずに拡張されている、アクセス、アグリゲーション、メトロのネットワークを運用しています。 先進的な考えを持つ事業者は、複雑さを軽減するために、複製によって複数の運営会社や地域に簡単に導入できる、使いやすくて洗練されたイーサネットとIPのアーキテクチャーを実装する方法を模索しています。

このように、世界中の事業者がネットワーク運用の簡素化と運用コストの削減を行っています。 事業所内の1つのエリアに実証済みのイーサネット・アグリゲーション・アーキテクチャーを配置し、別のエリアの寿命の終わりにある装置を迅速に置き換えることにより、従来のネットワークのコストと信頼性の問題を軽減できます。

3) スマートなオーケストレーション・ソフトウェアが駆動するネットワークの自動化 - トラフィック量が急増したときにネットワーク効率を最大限に高めるには、ソフトウェア駆動型のオーケストレーションに基づいてサービス・プロビジョニングとその他の主要なタスクを自動化することが極めて重要です。 これには、マルチベンダーとマルチドメインの両方のインフラで自動化されたサービス・プロビジョニングをサポートするオーケストレーション・ツールとシームレスに統合された、イーサネットとIPの統合ソリューションが必要です。

4) ユーザーにより近い場所に帯域を導入するための「ファイバー・ディープ」ネットワーキングのサポート - データセンターのスペースが高額であることに加え、データセンター内やデータセンター間、または道路脇のキャビネットを接続する従来の機器の種類が多くなっているため、保守、スペース、電力のコスト負担が増大しており、多くの事業者が道路脇のキャビネットやその他のエンドユーザーに近い場所までネットワークを拡張することに注目しています。 このような種類のソリューションが真に効果を発揮するには、「ファイバー・ディープ」ネットワーキング・モデル、耐気候性と耐湿度性を備えた装置、道路脇のキャビネットやその他の「整備されていない」環境で確実に機器を稼働するために必要なその他の主要な機能をサポートする必要があります。

特に重要なのは、ファイバー・ディープ・アプローチをサポートするイーサネットとIPの統合ソリューションによってユーザーに近い場所に広帯域を導入し、その結果としてサービス・パフォーマンスとエンドユーザー・エクスペリエンスを大幅に向上させることです。

5) 低リスクのネットワーク導入および技術とビジネスの継続的なサポート - イーサネットとIPの統合ネットワークを導入する意義は、その目的が古いインフラの交換であれ、新しい地域へのネットワークの拡張であれ、テクノロジーが大きく変革されることです。 このような種類のイニシアティブの実施に伴うリスクを最小限に抑えるには、ネットワーク近代化の大規模プロジェクトを手掛けた経験と豊富な知識を持つ信頼できるパートナーによるサポートが極めて有効です。

適切なテクノロジー・パートナーは、導入プロセスをサポートするだけでなく、お客様が収益を創出する新サービスを開発して提供を開始し、IPとイーサネットの統合ネットワークの収益化およびROIの早期達成を実現できるようにサポートすることもできます。 これには、市場機会の評価、新しいサービスの設計とテスト、共同マーケティング・キャンペーンや販売支援トレーニングなどの主要な市場投入活動の対応において徹底した協力関係が必要です。

事業者のお客様がビジネスで最高の成功を収められるように積極的に補佐役を務める真のパートナーと、単なるベンダーの違いは、このようなサポート・レベルに表れます。

6) オンデマンドの拡張性 - トラフィック需要の急増に対応するには、アグリゲーション・ネットワークがオンデマンドでプログラム的にスケーリングできなければなりません。 業界をリードするIPとイーサネットのソリューションは、この機能をオプティカル・トランスポート・レイヤーとのシームレスな統合に基づいて提供します。これにより、1Gリンクと10Gリンクを、数日または数か月ではなく、数分または数時間で100G、200G、400G接続にアップグレードできます。

アグリゲーション・ネットワークをプログラム的にスケールアップできますが、利用可能な容量を増やしたり新規サービスを導入したりするために、ハードウェアを追加する必要はありません。 その結果として、IPインフラの利用の拡大に伴う不動産、電力、冷却、サポート、またはその他のコストを削減することができます。

CienaおよびIPとイーサネットについて

Cienaは、世界中の事業者のお客様が極めて効率的で将来拡張性の高いIPとイーサネットのネットワークを導入できるようにお手伝いしています。 その過程で、アクセス、アグリゲーション、メトロのネットワークの規模と種類の多さの軽減、効率化と標準化、急増するトラフィックへの対応をサポートしています。 

CienaのIPとイーサネットの統合ソリューションの主要なメリットは、次のとおりです。

  • ネットワーク投資効果の最大化 – コアのIP/MPLS P & PEルーター・ネットワーク・アーキテクチャーを補完し、パフォーマンス、効率性、コストの観点からネットワークを最適化することで、事業者のお客様はネットワーク投資から最大の効果を得られます。
  • すべての種類のサービスとトラフィックのサポート - Cienaのイーサネット装置にはIPプロトコルが組み込まれているため、ビジネス・イーサネット、モバイル・バックホール、VNF、住居用ブロードバンドなどのレイヤー2と3の統合サービスを単一のネットワーク・アーキテクチャーでサポートできます。
  • ネットワークの俊敏性の向上 - スマートなネットワーク・オーケストレーションにより、マルチベンダーとマルチドメインのネットワークでのサービス・プロビジョニングと管理の手間を軽減できます。
  • 大規模な装置、不動産、電力、冷却の節減 - POPと顧客サイト間に拡張可能な接続を提供する少数のスケーラブルなイーサネット・ノードによって実現されます。
  • ファイバー・ディープ・ネットワーキングのサポート - 道路脇のキャビネットまで拡張可能なイーサネット・ネットワークにより、ユーザーに近い場所に広帯域を導入できます。
  • オンデマンドで400Gに拡張できるスケーラビリティー - オプティカル・トランスポート・レイヤーとのシームレスな統合に基づいています。
  • サポート・コストの削減 - (高給のネットワーキング・スペシャリストではなく)ジェネラリストのエンジニアが容易に監視およびサポートできる使いやすいネットワーク・アーキテクチャーによって実現されます。
  • ビジネスを成功に導くパートナーシップ - Cienaは、エンドツーエンドのサービス設計、導入、管理サポートに加え、ネットワーク事業者のお客様が自社ネットワークで収益性の高い新サービスを提供開始および販売できるようにお手伝いするビジネス・サポートを提供しています。

従来と同じ方法でネットワークを構築し続けることはできませんが、ネットワーク事業者は新たに登場した高成長アプリケーションをサポートできます。 Cienaのパケット・ネットワーキング・ポートフォリオは、従来のIPネットワークの近代化を加速させ、事業者のお客様が将来のIPとイーサネットの統合ネットワークを展開するのに役立ちます。