IPとイーサネットの統合について
現代のネットワークの成功は、エンドユーザーから、オフィス、支社、インターネット、データセンターに大量のトラフィックを費用対効果の高い方法で伝送できるかどうかによって決まります。それだけでなく、1GbEサービスから、10GbE、25GbE、または100Gサービスへの移行、および100/200/400GbEへの統合を管理するために、容量を大幅に拡大する必要があります。
イーサネット接続サービスをスケーラブルな光ネットワーク・インフラと完全に統合すれば、帯域需要の増加に費用対効果の高い方法で対応できるようになります。ただし、イーサネット・サービス(レイヤー2サービス)は、IP-VPNサービス、イーサネットVPN(EVPN)、さらにSD-WANサービスなどの一般的なIP(レイヤー3)サービスのトラフィックに加え、一般的なビジネス・イーサネット・サービス(E-LINE、E-LAN、E-TREE、E-ACCESSなど)のトラフィックも伝送できる必要があります。
従来のイーサネット統合の長所と短所
イーサネットは通常、「静的」なトラフィック・ルーティング・アプローチをサポートします。メリットには、LANから受け継いだ特性である、簡易性とコスト・プロファイルなどがあります。イーサネット・ネットワークはコンパクト、効率的でもあり、運用と保守に高度なスキルを備えたリソースを必要としません。
これらのメリットとは裏腹に、キャリア・イーサネットは、レイヤー2技術(イーサネット)に依存することによって、ファイバー、カッパー、ワイヤレス・ネットワーク経由でトラフィックを転送します。また、アクセス・レイヤーからIPコアまでサービスをエンドツーエンドで伝送するために、複数のプロビジョニング手順を必要とします。
IP統合の長所と短所
IP統合ネットワークは通常、「動的」なトラフィック・ルーティングをサポートします。IP統合ネットワークは、ネットワーク経由でサービスを伝送するためのシームレスなエンドツーエンドのプロビジョニングをサポートし、コストのかかる手動による介入をなくして、新サービスの市場投入までの時間を短縮します。
これらのメリットには大きな価値がありますが、動的なルーティングには複雑なIP(レイヤー3)ルーター・インフラが必要であり、購入、設置、サポートのコストに加え、高度なスキルを持つ専門家が必要であるため高額な費用がかかります。また、IPルーターには、ほとんどのネットワークが必要とする少数のサブセットをはるかに超えた多様なIPプロトコルと機能が組み込まれています。 使われていない機能がIPネットワーク装置のCAPEXを押し上げて、最終収益に影響を及ぼします。
IPとイーサネットの統合のメリット
最新世代の統合ソリューションでは、複数のサービス・トラフィックをより効率的に統合するために、イーサネット機能とIP機能の統合が始まっています。このような統合は、IPプロトコルを統合したイーサネット対応の装置によって実現されます。この装置は、トラフィックをIP/MPLSコア・ネットワークにシームレスに返送するために、特定のアプリケーション主導型のルーティングと相互運用性の要件を処理します。
IPとイーサネットの統合の未来
IPとイーサネットの統合ソリューションの進化のベースとなるのは、オープン性、ディスアグリゲーション、オーケストレーションであり、それによってネットワークの複雑さがSoftware-Defined Networking(SDN)レイヤーに対して抽象化され、プラットフォームに統合されるIPプロトコルのサブセットがスリム化されます。このアプローチにより、ネットワークがスケーラブルになり、費用対効果が大幅に向上して、将来的な拡張に対応できるようになります。
その代表的な例として、セグメント・ルーティングと呼ばれるテクノロジーがあります。このテクノロジーは特定の手順を用いて、ノード間で使用可能な最も短い経路を経由してデータの「パケット」を転送します。セグメント・ルーティングを使用することで、ネットワークはアプリケーションごとに特定のプロトコルを維持する必要がなくなり、レイヤー2 VPN(L2VPN)、レイヤー3 VPN(L3VPN)、イーサネットVPN(EVPN)などの数多くのサービスを単一ネットワークに統合できます。
IPとイーサネットの統合ネットワークのルーティング制御の抽象化により、より高度なネットワーク分析をネットワーク全体に導入できるようになり、リアルタイムのステータス・レポートに基づいて、より適切なルーティングの決定をサポートできます。また、ルーティング制御を一元化することで、複雑でコストのかかる処理機能をすべてのルーティング・ノードに実装する必要性を大きく減らしながら、クラウド・コンピューティングの経済性を活かすことができます。
オーケストレーション・レイヤーにルーティング制御を抽象化するIPとイーサネットの統合ネットワークには、事業者が選択したサービスのサポートのみに必要なルーティング・プロトコルの少数のサブセットを導入できるという、さらに大きなメリットがあります。これは、各ノードに必要なアプリケーション主導型の特定のルーティング・プロトコルにのみ対応すればよいという意味であり、現在のIPルーターに一般的に使用されているコストのかかる複雑なASICではなく、商用シリコンを使ってニーズを満たすことができます。
IPとイーサネットの統合は、内蔵されているオンデマンドの光の拡張性からもメリットを引き出します。オプティカル・トランスポート・レイヤーとのシームレスな統合の利点を活かして、1GbE、10GbE、25GbE、および100GbE以上のリンクを、数日または数か月単位ではなく数時間または数分単位で、100GbE、200GbE、400GbE接続に統合できます。
統合ネットワークをプログラム的に拡張できるということは、利用可能な容量を増やしたり、新サービスを導入したりするために、ハードウェアを追加する必要がないことを意味します。これは、IPインフラの利用の拡大に伴う、不動産、電力、冷却、サポート、その他のコストを削減するのに役立ちます。
このアプローチにより、サービス・プロバイダーはネットワーク・インフラを進化させて、シンプルさ、アジリティー、費用対効果の大幅な向上、既存のサービスのサポート、新しいサービスへの対応を同時並行的に実現できます。
Adaptive IP™の概要
CienaのIPとイーサネットの統合ソリューションは、ネットワーキングの設置面積とコストをエンドツーエンドで削減すると同時に、サービス・デリバリーを促進します。Cienaのルーティング&スイッチングをご検討ください。
- ネットワークの変革により、ネットワークを所有するトータル・ランニング・コストを削減して利益幅の低下に対処できるようになると同時に、従来の競合他社だけでなく、新しい競合他社に対する競争力を強化することができます。
- シンプルで費用対効果の高い専用設計のパケット・ソリューションにより、アクセス/統合/メトロ・ネットワークの4G/5G、TDM/L2/L3/VNFビジネス・サービスやFiber Deepの機会に効果的にターゲットを絞り込むことができます。
- 大幅に高度化された自動化、インテント・ベースの制御、自動最適化によって速やかに変化に適応して、将来のビジネスに備えることができるネットワーク実装により、新しいビジネス機会を開拓できます。
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