新興アジアは、世界中で最も文化的な多様性に富む地域の1つであり、若年人口に支えられて経済が急成長しています。 この地域の国々の通信インフラは比較的最近に開発されたものであるため、通信ネットワークに対するレガシー・システムの負担が先進諸国ほど重くありません。

次のようなさまざまな事実を考慮できます。

  • インドネシアは、世界第4位の人口を誇り、13,000以上の島々からなります。 インドネシアで最も優先度が高いインフラ・プロジェクトの1つであるPalapa Ringプロジェクトでは、1万3,000キロに及ぶ海底光ファイバー・ケーブル・ネットワークとおよそ2万2,000キロの陸上ネットワークの構築が行われます。
  • ベトナムの携帯電話事業者のViettel社は、2017年4月に4G LTEネットワークの商用サービスの立ち上げを発表し、わずか6か月で3万6,000の4G基地局と32万キロに及ぶ光ファイバーの国内バックボーンを構築しました。
  • Thailand 4.0は、タイ経済をデジタル化が進むエコシステムに変革するためのイニシアティブであり、タイ政府は20年以内に国内に100以上のスマート・シティを構築する目標を掲げています。
  • また、フィリピンの人々は、1日あたり平均で9時間インターネットを利用し、ソーシャル・メディアに4時間17分を費やし、世界で最もデジタルに慣れ親しんでいる国民です

これらの国々のサービス事業者は、容量と帯域幅を求めるユーザー・ニーズの急増に対応するために、通信インフラとネットワークに多額の投資を行っています。 これらのサービス事業者は、経済的成長への意欲を満たすために、積極的な投資によってネットワークの拡張とアップグレードを行う必要があることを認識しており、その多くが政府による多額の支援を受けています。

これらの新興国は、ネットワークの適切な投資戦略によって先進国を追い抜くことができるスイートスポットに位置しています。 これらの新興国においては、サービス事業者がネットワークの変革の道のりでCienaのAdaptive Networkのビジョンを採用することで、短期的な容量の課題を解決できるだけでなく、将来の需要を満たす柔軟性と拡張性を備える優位な立場に立てるようになると私は確信しています。

Adaptive Networkとは何でしょうか。

Adaptive Networkとは、分析とインテリジェンスによって静的なネットワークを動的かつプログラマブルな環境に変革する、自律型ネットワーキングの概念に基づいて拡張されたCienaの革新的なアプローチです。 Adaptive Networkは、3つの重要なレイヤーから構成されます。

  • プログラマブルなインフラストラクチャー プログラマブルなパケット・オプティカル・インフラストラクチャーは、共通のオープン・インターフェイスを介してアクセスおよび構成が可能であり、ネットワーク・パフォーマンスのリアルタイム・データをエクスポートする機能によって高度に機能化され、その上で実行されるアプリケーションのニーズに応じて必要なリソースを調整できます。 このレイヤーは、極めて高いインテリジェンスとデータを解釈する能力を備えており、ネットワーク自体が判断を行うことができます。たとえば、ダウンしている回線を迂回してトラフィックの経路を指定したり、特定のリンク上でレイテンシーや予想を下回る容量の問題を調査して修正したりできます。
  • 分析とインテリジェンス プログラマブルなインフラストラクチャーでは、大量のデータが生成されます。 その中には、ネットワークが時間とともに学習して調整を行うための傾向を示すビッグデータが含まれます。 ネットワークは、ビッグデータによって長期的な調整方法、注意すべきトラフィック・パターン、脆弱さを内在している可能性があるネットワークの場所を把握できるようになります。 また、かなりの頻度で発生する、スモールデータと呼ばれるデータもあります。 具体的には、回線上の揺らぎや顧客からの緊急の要求などです。 こうしたイベントについてはネットワークによる迅速な対応が必要であり、その対応を促すのが分析です。 しかし、いったん決定が下された後も、オペレーターや事前定義されたポリシーよって介入を行い、必要に応じて承認または変更を行うことができます。
  • ソフトウェア制御と自動化: Dimension Dataの「2014 Network Barometer Report」によると、ネットワーク停止の最大の原因は人為的ミスであり、概算で32%に上るという調査結果が出ています。 アクセス・コントローラーのロードやルーターのプロビジョニングなどのネットワーク・タスクを効果的に自動化することで、このような人為的なエラーをなくして、最高のパフォーマンスでネットワークを稼動し続けることができます。 重要なことは、複数のベンダー間で自動化が機能することです。 1社のベンダーの一連のデバイスによって最高の性能を発揮するテクノロジーは確かに存在しますが、ほとんどのネットワークは、複数のベンダーの装置から構成されています。 ネットワークの効率的な動作とポイントツーポイントの効率的かつ迅速なデータ移動には、APIを用いたネットワークの相互運用が必要です。

一見、困難な作業のように思えるかもしれませんが、アジア太平洋地域の一部のお客様は、すでにAdaptive Networkの道のりを開始しています。 ベトナムの業界トップクラスのモバイル・ネットワーク事業者であるMobiFone社は、Cienaの6500 Packet-Optical Platformとハイブリッド・パケット/OTNスイッチングを導入し、また、ファイバーで複数の切断が起きた場合でも回復性を確保できるように、Cienaのインテリジェントなコントロール・プレーン技術を活用してエンドユーザーの常時接続を実現しています。 また、MobiFone社は、変化し続けるトラフィック需要に動的に対応するために、Cienaのネットワーク管理プラットフォームを使用して、ネットワーク全体にわたって可視性とエンドツーエンドの制御を大幅に向上させる予定です。

新興アジアの多くのサービス事業者にとって、容量および帯域需要の急増への対応は始まったばかりです。 消費者は、いつでも好きなときに好きな場所でより高速にクラウドにアクセスして、高解像度のコンテンツ、ビデオ、アプリケーションを利用したいと考えています。 ネットワークのこの破壊的な変革は、モノのインターネット(IoT)と5Gの導入によって今後も継続します。この両方のテクノロジーは、消費者とビジネスのやりとりを駆動するために、各種機器、ユーザー、クラウドと相互作用する数十億台のデバイスを必要とします。

ABI Researchは、サービス事業者をイノベーションによってリーダー企業と消極的な企業に特定した最新のベンチマーケティング調査において、アジアの通信事業者はテクノロジーの先駆者であると結論付けました。 この結果により、アジアの通信事業者は長期投資を実施中であり、5Gには従来の接続ドメインを越えた専門知識が必要であることを理解していることが明らかになりました。 これは、Cienaのお客様が語っていた内容にも一致します。お客様は、長期的な視野に立ち、将来の拡張に対応するネットワークを構築したいと考えています。 また、常にユーザーの期待を上回り、革新的な新サービスを競争力のある価格で市場に迅速に投入することを望んでいます。 これは、まさにAdaptive Networkによって実現できることです。

このフレームワークの完全な機能性の実現には時間がかかります。 特定の製品を購入して設置するわけではありません。 それは事業者の現在のネットワーク環境を進化させたものであり、そこに到達するまでには長い道のりがかかります。 スタート地点は、事業者の現在のネットワーク・インフラ、市場動向、ビジネス目標に応じてそれぞれに異なります。 しかし、25年にわたってネットワークで世界をつないできた経験を持つCienaは、新興アジアのお客様が通信市場で一気に飛躍するのをお手伝いできる完璧なパートナーであると、私は自信を持って断言します。