Cienaは本日、次世代のコヒーレント光伝送技術WaveLogic 6(WL6)を発表しました。WL6は、最高のパフォーマンス、経済性、持続可能性などのメリットを提供し、現在から将来にわたるネットワーク・ニーズに対応します。限界に挑戦するこの技術から生み出される世界初のイノベーションを皆様にご紹介できることを大変嬉しく思います。

お客様の課題を解決し、ビジネスの新たな機会を切り開くお手伝いすることほど嬉しいことはありません。そのすべては、お客様のニーズを理解するところから始まります。そして次に、Cienaの世界トップクラスのエンジニアがその実現方法を見つけます。これが私たちがイノベーションを生み出す手法であり、Cienaの歴史はこのように作られています。お客様が時代の最先端を行くために、Cienaは消費電力を最小化する400ZRプラガブル・モジュールはもちろん、業界初となる40G、100G、400G、800Gコヒーレント・ソリューションなどの様々なソリューションをご提供してきました。しかし、お客様のビジネスは日々進化しています。私たちも同様です。

だからこそ、Cienaは再び挑戦しています。

WaveLogic 6は、メトロROADMを展開する際に単一キャリア波長あたり1.6Tb/sの大容量の提供し、800G接続のネットワーク・カバレッジを最大化して、用途に適した800Gプラガブル・モジュールによって10kmから1,000kmの距離にわたる様々な顧客要件とアプリケーション要件を満たします。これらすべてが、Cienaが達成した新たな世界初の成果となります。

Cienaがこれらを技術的に成し遂げることができた理由は、当社のチームがコヒーレント光ネットワークについて圧倒的な専門知識を備えていること、そしてこれらのソリューションを市場に投入するために必要となる重要な知的財産と技術構成要素を得るための戦略的な投資を行っているからです。たとえば、消費電力を最小化する最新の3nm CMOSをベースとした業界初の200GbaudのコヒーレントDSPや、業界初の200Gbaudアナログおよび広帯域光デバイス技術、そして独自の高速パッケージングなどです。

WaveLogic 6:ネットワーク需要への答えとは

WaveLogic 6を実現するまでのすべてのステップにおいて、当社が重視してきたことがあります。それは、お客様のビジネスが前進するためには何が必要であるかということです。お客様との会話やグローバル・ネットワークの要件を理解することで、いくつかの重要なニーズが最重要課題として浮かび上がってきました。ネットワークのコアを経由したり海を横断したりするだけではなく、ネットワーク・エッジやエンドカスタマーに近い場所で、自動化された柔軟な方法によって大容量帯域を提供するネットワークが必要だということです。環境への責任を果たしながらも、社会が必要とする重要な接続ニーズに応えることによって利益を上げられるよう、ネットワークは、経済性と消費電力の両面で適切なダイナミクスを備えている必要があります。

「WaveLogic 6はさらに高いレベルを目指しており、信頼性が最も高く、エネルギー効率に優れた、可能な限り最速の接続を提供することで、当社がネットワーク変革の計画や気候変動の目標を実行に移すための有効な手段となるでしょう。WL6eのパフォーマンス・シミュレーションでは、当社のネットワークで12,000kmのリンク上で1Tb/sの波長伝送が実証されており、当社はすでにネットワーク業界で世界初となるもう1つの発表を行うのを楽しみにしています。」 - Southern Cross社、社長兼CEO、ローリー・ミラー(Laurie Miller)氏、本日付のプレスリリースより

パフォーマンスを最適化するWaveLogic 6 Extremeはファイバー容量とスペクトル効率を前例のないレベルで実現し、フットプリントを最適化するWaveLogic 6 Nanoは10kmから1,000kmまで電力効率に優れた800Gを提供するため、これらのニーズに対応することができます。しかし、それがすべてではありません。WaveLogic 6は、導入の容易さにも重点を置いているため、迅速にテクノロジーのメリットを享受しつつ、運用コストを削減できます。

詳しく見ていきましょう。

WaveLogic 6 Extreme(WL6e):波長あたり1.6Tb/sの技術を実現し、ネットワーク全体にわたり再生中継することなくユビキタスな800Gb/s接続を提供する初のソリューションです。従来世代に比べて同じスペースで2倍の容量を提供し、ビットあたりの消費電力を50%削減し、スペクトル効率を15%向上させます。

WaveLogic 6 Extreme infobrief preview_JP

WaveLogic 6 Nano(WL6n):専用のDSP/広帯域光デバイス技術と高速パッケージングを統合することで、10kmから1.000kmまでのアプリケーションに対応する、用途に適した800Gプラガブル・モジュールを提供します。そうです、1,000kmを伝送可能な800Gプラガブル・モジュールです。さらに、従来のIMDD製品に代わって10kmの800G LRを使用することで、データセンター・キャンパス内でコヒーレント技術を初めて利用できるようになります。

WaveLogic 6 Nano infobrief preview

WL6設計を支える原動力

この業界では、イノベーションを推進し続けなければなりません。WaveLogic 6の開発に伴い、当社のエンジニアと科学者はあくなき取り組みを続け、将来のネットワーク要件に必要な設計目標と、お客様が求める新技術の導入に見合うROIの目標を達成しました。

WaveLogic 5 Extremeでは技術の限界に挑戦し、400Gルーターを収容するネットワーク進化に必要な地上・海底リンクにまたがる400Gのユビキタス接続を実現しました。WL6eも同様に、800Gのユビキタス接続と最大1.6Tb/sまでの前例のない波長容量の実現に必要な大胆な設計目標を達成しました。

実際、当社の地上バックボーン・ネットワークのモデリングでは、WL6eの200Gbaudの動作では、140Gbaudで動作するソリューションと比べて、800Gb/s以上の速度で2倍近いネットワーク・リンクを構成できることが明らかになりました。当社は、ボーレート設計を140Gbaudに留めることは、お客様にとって望ましくないことを理解していました。

WaveLogic 6 Extreme chart-JP

WaveLogic 6 Nanoは、WL6eとは異なる課題を解決します。WL6nは、800Gルーターへのアップグレードが必要なコンテンツ事業者とクラウド事業者向けに相互運用可能な低消費電力の800ZRを提供し、800GメトロDCIアプリケーションをサポートします。またWL6nは、電力効率とスペース効率を重視し、400Gプラガブル・モジュールの伝送距離を長距離アプリケーション用に拡張したいと考えるサービス・プロバイダー向けに高性能な製品を提供します。この製品は、「あらゆる場所へ400G」という要件に対応し、業界で初めて800Gプラガブル・モジュールの伝送距離を1,000kmまで拡張します。

しかし、業界初のWL6nの画期的な機能はこれだけではありません。データセンター・キャンパス内でコヒーレント技術を初めて利用できるようになりました。WL6nは、このアプリケーションで800Gを実現するために、IMDDテクノロジーの技術的な課題を解決しています。また、専用のDSP/広帯域光デバイス技術を実装することで、このアプリケーションに必要なコスト、スペース、消費電力の要件に対応すると同時に、新しい光スイッチ・データセンター・ファブリック・アーキテクチャに必要となるより高いリンク損失バジェットを提供しています。従来の800G LRに加えて、WL6nはWDMベースの技術によってDCキャンパスでのファイバー枯渇のシナリオに対応し、容量の効率的なスケールアップ・ダウンを可能にします。

WL6nを支える真のイノベーションは、ユニークな設計実装です。これにより、アプリケーションごとに最適なパフォーマンスと電力の要件に対応する、用途に適した様々な製品を提供できます。

「10年以上前に最初のデータセンター施設の設計をオレゴンで開始して以来、ネットワークの効率性は当社のDNAの大きな比重を占めています。当社はOFC 2021の会場で、2024年/2025年までに第6世代のトランスポンダーでビットあたりの消費電力を50%削減し、チャネルあたりの帯域を2倍に増やすという高い目標をサプライヤーに要求しました。このような進歩は、将来のネットワーク拡張をサポートするために極めて重要です。今日のCienaの発表によれば、WaveLogic 6によってこれらの目標を達成できるでしょう。」 - Meta社、エンジニアリング担当副社長、ガヤ・ナガラジャン(Gaya Nagarajan)氏、本日付のプレスリリースより

投資利益率を最大化する最もシンプルな導入

コヒーレント光技術のイノベーションは新たな可能性をもたらしますが、従来の製品とともに既存インフラに新技術を導入し、既存のバックオフィス・システムに統合しなければならない課題についても当社はよく理解しています。

Cienaは、信頼性が極めて高い長期的なソリューションに投資していると自負しています。WaveLogic 6についても同様です。WL6eトランシーバーは、Cienaの既存の6500とWaveserver 5のプラットフォームでサポートされているため、認証と統合が容易です。WL6eを使用すると、運用しているそれぞれの波長ごとに、同じスペースで容量が2倍に拡大します。現在エンドユーザーにサービスを提供している同じシャーシで新しいハードウェアをサポートできるので、消費電力は変わりません。また、WL6eの波長は、6500やRLSなどの既存のフレックスグリッド通信システムに、従来世代の波長とともに導入できます。これが意味することは、Cienaから導入した100Gフレックスグリッド通信システムを使用して、1.6T波長もサポートできるということです。

12.8T WaveLogic 6 Capacity_Japanese

WL6eを使用した新技術に移行する場合のコスト、消費電力、スペースのメリット

また、WaveLogic 6 Nanoの400G~800Gプラガブル・モジュールは、標準に準拠した800ZR DCI向けの構成から、高性能プラガブル・モジュールを使った既存のROADMへの容易な導入まで、特定の構成で導入の簡易化に必要な機能をサポートし、データセンター・キャンパス内のアプリケーションのコストと消費電力を削減します。

「CienaのWaveLogic 5技術により、Bellは400GEサービスを幅広い顧客に提供し、膨大な量のデータをクラウドに移動できるようになりました。Bellの全国ネットワークは、WaveLogic 6への対応準備ができており、効率的な800Gb/s接続によるサービス提供の効率化を心待ちにしています。」 - Bellカナダ、運用サービスおよびコア・ネットワーク担当副社長、ニコラス・パヤント(Nicholas Payant)氏、本日付のプレスリリースより

妥協しない – ネットワークには最適な機能が必要

Cienaは、大胆な賭けに出ることにしました。つまり、目の前にある課題から得た教訓として、お客様の現在と将来にわたるニーズを最適に満たす技術を手にするまで妥協しないことを決めました。また、お客様も妥協する必要はないと考えています。現時点でなされた光伝送技術の決定は、将来にわたってネットワークとお客様に影響を及ぼします。このような理由から、WaveLogic 6 ExtremeとWaveLogic 6 Nanoは、最大の投資効果と長期的な価値をご提供するように設計されています。私自身も、この次世代のWaveLogic技術がネットワークの能力およびビジネスの限界をどのように押し広げていくのかを見るのが非常に楽しみです。繰り返しになりますが、Cienaは不可能を可能にします。

光ネットワークの新しいスタンダード、WaveLogic 6へようこそ。

WaveLogic 6 World-First hero-JP