潜在的な脅威と不正傍受に対する検知・防御能力を実証

ニューヨーク州ニューヨーク、メリーランド州ハノーバー– 2022年2月17日 – JPモルガン・チェース、東芝、Cienaは、画期的な研究により、メトロネットワーク向けの初の量子暗号通信(QKD、Quantum Key Distribution)ネットワークの実用性を実証しました。このネットワークは、量子コンピューティング攻撃に対する防御機能を備え、実働環境においてミッションクリティカルなアプリケーションの800Gbpsの通信をサポートできます。

研究チームは、新たに導入したQKDネットワークが不正傍受を即座に検知し防御できることを実証しました。また、実際の環境要因が量子チャネルの品質に与える影響を調査し、QKDによって保護された光チャネルを使用して、銀行主導の実稼働環境グレードのピアツーピア・ブロックチェーン・ネットワークとしては世界初となるJPモルガンのLiinkの展開とセキュリティを実現しました。これは、QKDによって重要なブロックチェーン・アプリケーションを保護した業界初のデモンストレーションです。

JPモルガン・チェースのFuture Lab for Applied Research and Engineering(FLARE)チームとGlobal Network Infrastructureチームのリーダーシップの下、3社の研究者が協力し、以下のような注目すべき成果を達成しました。

  • 800Gbps超広帯域光チャネルと同じファイバー上にQKDチャネルを初めて多重化し、データストリーム暗号化の鍵を提供するために使用しました。
  • 70kmのファイバー上で、1秒あたり1つの鍵の更新レートで最大258個のAES-256暗号化チャネルを十分にサポートできるキーレートを使用して、量子チャネルを2つの800Gbpsチャネルおよび8つの100Gbpsチャネルと共存させることが可能であることを実証しました。
  • QKDとこれらの10個の広帯域チャネルは、最大100kmの距離まで動作することが実証されました。
  • 本実証実験のネットワーク・インフラストラクチャーには、東芝の多重化QKDシステムとCienaのWaveserver5プラットフォームが使用されました。多重化QKDシステムは英国ケンブリッジを拠点とする東芝ヨーロッパで製造されたものであり、Waveserver5プラットフォームは800Gbpsの光レイヤー暗号化とオープンAPIを備え、Cienaの6500フォトニック・ソリューション経由で通信を行いました。テストは、JPモルガン・チェースの光ファイバーの製造シミュレーション・ラボで実施されました。

JP モルガン・チェースの Distinguished Engineer 兼 FLARE Research グループの責任者であるマルコ・ピストイア(Marco Pistoia)博士は次のように語っています。「JPモルガン・チェースにとってセキュリティーは最も重要です。我々は実用可能な品質の量子コンピューターの導入に向けて準備を続けておりこの研究は重要な時期にさしかかっていますが、これらの成果により、ブロックチェーンや暗号通貨のような技術のセキュリティー環境がそう遠くない将来に一変するでしょう。当社は東芝やCienaといった業界リーダーと連携しながら、実世界のアプリケーション向けにQKDテクノロジーを開発する最前線にいることを誇りに感じています。」

現時点においてQKDは、量子物理学の原理法則を応用してセキュリティーを担保し、量子コンピューティング・ベースの潜在的な攻撃を防御することが数学的に証明されている唯一のソリューションです。

Cienaの最高技術責任者であるスティーブ・アレクサンダー(Steve Alexander)は、次のように述べています。「多くの機密情報が光ファイバー・ネットワークで日常的に送信されるようになっているため、強固な暗号化は極めて重要です。量子コンピューティングの時代が到来しつつあり、ネットワーク上で送信される重要なデータの機密性を確保するための研究開発の進歩が続くでしょう。」

「Cienaは、革新的なネットワーク技術の限界に常に挑戦しています。200Gbps、そして400Gbpsについても、Cienaが業界で初めて暗号化を実現しました。現在、業界初となる800Gbps暗号化を提供しています。 デジタル世界を支えるためにより安全で効率的なネットワーク・ソリューションを構築し続けている当社には、JPモルガン・チェースや東芝のような先進的な考えを持つ企業との連携は非常に重要です。」

東芝アメリカ社のデジタルソリューションズ部門長である川倉康嗣氏は、次のように語っています。「このプロジェクトの成功をベースに、我々はブロックチェーンへの量子攻撃を防御する方法を実証しテストしています。東芝は、当社のQKD技術がこの業界初のソリューションに貢献していることを誇りに思っています。」

JPモルガンOnyxのDistinguished Engineerであり、ブロックチェーン・エンジニアリングの責任者であるスレーシュ・シェッティ(Suresh Shetty)氏は、次のように述べています。「QKDが将来の量子攻撃に対して、Liinkネットワーク内のさまざまなノード間の通信を効果的に保護できることが実証されたことを嬉しく思います。」

研究論文の全文を読む:https://arxiv.org/abs/2202.07764

JPモルガン・チェースについて JP モルガン・チェース・アンド・カンパニー (NY 証取: JPM) は総資産 3.7 兆ドルを有する世界有数のグローバル総合金融サービス会社です。投資銀行業務、個人・中小企業向け金融サービス業務、コマーシャル・バンキング業務、金融取引資金管理業務、資産運用業務において業界をリードしています。世界で展開する法人向け事業は「J.P.モルガン」、米国における個人向け事業は「チェース」ブランドを用いて、世界有数の事業法人、機関投資家、政府系機関お

よび米国の個人のお客様に金融サービスを提供しています。また、当社は世界中で 50,000 人を超える技術者を擁し、年間 120 億ドルの技術支出を行っており、高品質のソフトウェアと新製品の作成に向けた設計、分析、開発、コーディング、テスト、およびアプリケーションプログラミングの改善に取り組んでいます。

詳細については、http://www.jpmorganchase.com/をご覧ください。

東芝について 1965年に設立された東芝アメリカ社(TAI)は、東京に拠点を置く株式会社東芝の子会社であり、人々の生活から商業、産業までを幅広く支える社会インフラ製品・ソリューションを提供する米国事業会社4社の持株会社です。東芝アメリカ電子部品社(半導体ソリューション)、東芝アメリカエナジーシステム社(発電ソリューション)、東芝インターナショナル米国社(産業機器・電力流通ソリューション)、東芝アメリカ研究所(研究開発)の4社は、TAIとともに東芝アメリカ・グループと総称されています。

Cienaについて
Ciena(NYSE: CIEN)は、ネットワーキング用のシステム/サービス/ソフトウェアのグローバルリーダー企業です。業界で最も適応性の高いネットワークを構築し、お客様が増え続けるデジタル需要を予測して対応できるようにします。Cienaは30年以上にわたり、常にイノベーションを追求し、人間性を融合させてきました。お客様、パートナー、コミュニティとの協調的な関係に最も高い優先順位を置いており、柔軟性、オープン性、持続可能性を備え、現在と将来にわたってすべてのユーザーにより良いサービスを提供できるネットワークを構築しています。シエナの最新ニュースについては、LinkedInTwitterCiena  Insights blogwww.ciena.comをご覧ください。日本におけるシエナの事業の詳細については、https://www.cienacorp.jp/をご覧ください。

投資家の皆様へ
当社ウェブサイトの投資家セクションで、定期的なプレスリリース、SEC提出書類、最新ニュース、財務成績、その他の発表をご覧いただけます。随時、重要情報を本ウェブサイトや当社使用のその他の開示チャンネルに掲載します。本プレスリリースは一定の将来見通しに関する記述を含んでおり、これらの記述は当社の現在の期待、予測、情報、仮定に基づいています。これらの記述は、リスクと不確実性を内包するものです。実際の結果ないし成果は、SECに提出した直近の年次/四半期報告書で詳述されたものを含むリスクと不確実性により、これらの記述で指摘ないし暗示された内容とは大きく異なる場合があります。将来の見通しに関する記述としては、Cienaの期待、信条、意図、戦略に関する記述があり、「信じられる」、「あり得る」、「推定される」、「期待される」、「意図する」、「可能性がある」、「はずである」、「予定される」、「なると思われる」などの語句で特定できます。シエナは、新たな情報、将来の出来事、その他の結果に関係なく、本プレスリリースに含まれる情報を更新する義務を負いません。