通信事業者、ケーブル/マルチシステム・オペレーター(MSO)、グローバル・コンテンツ・ネットワーク・プロバイダーなどのネットワーク事業者は、ネットワークを進化させて変革する以外に方法がないビジネス課題に直面しています。

サービス・プロバイダー

サービス・プロバイダーは、オリジナルのビデオ・コンテンツを提供するためにTime Warnerを買収したAT&Tや、家庭用とモバイル用の両方の設定で「スマート」デバイスの接続性を確立するマネージド・セキュリティーIoTサービスを提供するBellなどの事例に見られるように、顧客ベースを維持、拡大するために、革新的なサービス提供を目指して投資を行っています。  また、よりシンプルで拡張性が高い新しいアクセス・アーキテクチャーの評価とアップグレードを実施し、5Gを使った新サービスを提供しようとしています。投資がエッジに移っていることを示す事例として、VerizonはCorningのファイバーに今後3年で10億ドルを投資し、WOWのChicago Fiberベースのインフラを買収すると発表しています。

異なる世代の技術からなるマルチベンダー・インフラの課題に直面しているサービス・プロバイダーは、サービス提供速度と顧客満足度を向上させるために、運用の効率化とネットワークの自動化を推進しています。 それと同時に、ハードウェアの導入台数を増やすことなく新しい帯域需要に迅速に対応できるオープンでプログラマブルなインフラを使って、運用効率を高めてコストを削減するための方法を模索しています。 

ケーブル/マルチシステム・オペレーター(MSO)

ケーブル/MSOは、運用効率を実現してより大容量の接続性と優れたユーザー・エクスペリエンスを提供するために、ファイバーをエンドユーザーにより近い場所まで延伸し、機能を分散および仮想化することで、アクセス・アーキテクチャーを近代化しています。 従来のアナログ・インフラを完全に新しいデジタル・ファイバー・ネットワークに置き換えることで、経済性と競争優位性を獲得しようとしています。 ファイバー・ノードの導入数を10倍に増やすことを目的とし、屋外施設環境に設置可能で、一度有線接続すればギガビット級のアクセス・サービスと新サービスをサポートするように拡張できる装置とともに、適切なアーキテクチャーを選択することが極めて重要です。 変革を成功させるには、自動化を強化し、ネットワークをエンドツーエンドで効率的に管理できる、適切なソフトウェア・アーキテクチャーを導入することが同様に重要です。

グローバル・コンテンツ・ネットワーク・プロバイダー

グローバル・コンテンツ・ネットワーク・プロバイダーは、毎年2桁の伸びを示す帯域需要に合わせて、メトロ、長距離、海底のデータセンター・インフラを拡張しています(Facebookはシンガポールで新しいデータセンターを稼働)。 メトロでは、帯域の増大に合わせてスケーリングするために、メトロとリージョナルのデータセンター・ファブリックを複数の建物やキャンパスに分散させています。これにより、単一スパンの大容量の光接続の必要性が高まっています。  アーキテクチャーの観点からは、効率性を最大限に高めるために、SDNや人工知能などの高度な技術とソフトウェアの手法を採用しています。 また、エンドユーザーが求めるサービスをリクエストされる前に予測し、カスタマーに革新的な新サービスを提供することで成長を遂げています。 グローバル・コンテンツ・ネットワーク・プロバイダーは最先端技術の早期導入に積極的であり、近い将来に400Gインターフェイスのルーターが利用可能になれば、100Gインターフェイスからすぐに移行するはずです。

すべてのネットワーク事業者に共通する不変のニーズは、自動化と自己最適化に対応する即応性の高いネットワークです。  これを実現するには、柔軟な光レイヤー、オープンAPI(アプリケーション・プログラマブル・インターフェイス)とともに、先進的なコヒーレント光技術などのテクノロジーが中心的な役割を担います。 ネットワーク事業者はこれまで何年にもわたり、自動化、分析、インテント・ベースのポリシーを活用して迅速なスケーリングやネットワークの自己設定と自己最適化を実現しながら、光ネットワークのアップグレードに多大な努力を払って前述の要件を満たしてきました。 Cienaは、このネットワークの新しいあり方をAdaptive NetworkTMと呼んでいます。

コヒーレント技術の変化する役割

ネットワーク事業者は変化するビジネス課題に効果的に対応するために、コヒーレント技術の役割を戦略的に拡大し、前述のビジネス促進要因によって生まれた新しいネットワーク・アーキテクチャーを組み込もうとしています。 アプリケーションに応じて、パフォーマンスとフットプリントに最適化された 独創的なコヒーレント・ソリューションが登場しています。  パフォーマンス最適化ソリューションは、制限のない最高のシステム・パフォーマンスを提供すると同時に、光レイヤーの自動化を最大限に強化するように設計されています。 また、フットプリント最適化ソリューションは、特定のフォームファクターと電力枠に収まるように最適化されています。

パフォーマンス最適化ソリューション

グローバルDCIネットワークなど、メトロと長距離インフラ・アプリケーションについては、Adaptive Networkへの進化はすでに進行中です。 ネットワーク事業者は、新たなレベルの効率性、コスト削減、サービスの俊敏性が保証される、ソフトウェア制御の極めてスケーラブルな自動化されたネットワークに次第に移行しつつあります。 光ネットワークは、もはや「単なるパイプ」ではありません。  むしろ、機能化された柔軟なフォトニックとレイヤー0のソフトウェア制御によって運用され、設置面積、消費電力、ビットあたりのコストが最小限に抑えられ、ネットワーク容量が最大化される、俊敏性と耐障害性の高いROADMベースの光基盤に対するニーズが高まっています。 

これらのインフラ・アプリケーションには、すべてのネットワーク・パスにわたって最大容量を提供するように調整できる、パフォーマンスが最適化されたコヒーレント・ソリューションが必要です。 柔軟性と耐障害性を最大限に向上させるには、トランスポンダーから光回線まで直接通信できなければならず、高度に最適化されたトランスポート・プラットフォームを使用する方法が最も効果的です。 400Gインターフェイスのルーターが近い将来に登場することを考えると、理想的な光ソリューションもまた、より大容量の次世代スイッチング技術に向けたネットワーク変革を促進し、400GbEなどの新しいクライアント・レートのユニバーサル・トランスポートをサポートする必要があります。

また、ファイバー・リソースに対する制約があり、スペクトル効率の最大化が最も重要な要件となるアプリケーションでは、ネットワーク事業者もパフォーマンス最適化ソリューションを導入する必要があります。 何千キロもの海底ケーブルからなる海底システムは、このようなアプリケーションの代表的な例です。

多岐にわたるネットワーク変革の伝送要件

フットプリント最適化ソリューション

次世代のコヒーレント・ソリューションにより、ファイバーの高密度化や、コストと消費電力の削減とともに、ますます厳しくなるフローあたりの帯域要件の解消に着手できるようになっているため、コヒーレント・ソリューションの新市場としてアクセス分野が立ち上がっています。 アクセス・アプリケーションへ向かう動向により、ケーブル/MSOまたはサービス・プロバイダーのいずれのネットワークかを問わず、要件が変化しています。 

これらのアプリケーションでは、最大の波長容量を提供することより、物理的な規模の制約と拡張温度範囲に適応することがより重要です。  ネットワーク事業者は、複数のアクセス接続とバックホール・トラフィックをより低容量(例えば100G)の単一の波長を介して一元的に集約できる、導入が容易なスモール・フォームファクター・ソリューションを必要としています。

同じプラットフォームにコヒーレント光技術とパケット・スイッチングを統合することで、業界にこれまでなかった新しいパケット・オプティカル製品の技術革新と開発を加速させながら、効率性を最大限に向上させてネットワークを簡素化できます。  また、デジタル信号処理(DSP)チップと電気光学コンポーネントの設計における最新の進歩により、コヒーレント光技術を標準ベースのプラグイン形式で実装できるようになりました。 アクセス・プラットフォームとアグリゲーション・プラットフォームは、通常は別々のベンダーから調達されるため、これらのポイントツーポイント・アクセス・アプリケーションでは回線の相互運用性が重要になります。  回線の相互運用性により、効率的な直接接続が可能になり、光-電気-光(O-E-O)変換装置が不要になります。

グローバル・コンテンツ・プロバイダーは、データセンター相互接続(DCI)アプリケーションの消費電力と設置面積の懸案事項に対応するために、特に単一スパンDCI、つまり「400ZR」市場の一部で、プラグイン可能なコヒーレント技術の使用も計画しています。  このアプリケーション分野の主な導入要件は、パケット・スイッチの高密度化に妥協しないことであり、これはコヒーレント光技術を組み込むことで解決できます。 電力によってサービス密度が決まるため、低消費電力は極めて重要です。 400ZRアプリケーションの別の重要な特性は、ネットワーク運用を簡素化するコヒーレント回線の相互運用性です。 最後のもう1つの重要な要件は、ファイバー容量のスケーリングと400Gルーターの効率的な相互接続を実現する400G波長のサポートです。

コヒーレント技術がその拡張性と使いやすさからネットワークの新しい構成要素になるにあたり、フットプリント最適化ソリューションがより一層の柔軟性を提供します。 エンドユーザーとデバイスへの広帯域接続は、革新的な新サービスの市場投入を可能にし、ネットワーク事業者が適応型ネットワークに向けた変革を行うのに役立ちます。

2019年以降には、これらの新しいアーキテクチャーが実際に構築され、それによって生み出されるアプリケーションやサービスが登場してくるでしょう。 容量のスケーリング、より高度なプログラマビリティーの導入、ビジネス目標の達成への道のりで、コヒーレント技術が重要かつ拡大する役割を担うことに大きな期待が集まっています。  そして、これは始まりにすぎません。