ある晴れた土曜日の午後、ニューヨーク市のバークレイズセンターにはファンの歓声がいっせいに響きわたりました。バスケットボール・ゲーム、ホッケー、それともサッカーの試合でしょうか。いいえ、そうではありません。開催されていたのは、世界最大のeスポーツ・トーナメントの1つであるESL Oneでした。

ゲーム業界が、年間売上が1,520億ドル、ゲーム人口が全世界で25億人を超える巨大市場へ成長するにつれ、ビデオゲームは気軽に遊べるエンターテインメントの枠を超えた存在へと進化してきました。今お話ししているのは、高額な賞金をかけてプロフェッショナル・アスリートが参戦するマルチプレイヤー方式の電子ゲーム、eスポーツについてです。ESL Oneのようなトーナメントでは、数千人の観戦者が集まり、数百万人のファンがライブでイベントをストリーミング観戦します。

ESL Oneが開催されたのはバークレイズセンターですが、この巨大アリーナは複数のNBAチームとNHLチームのホームアリーナでもあります。 イベント会場は満席で、有名企業がスポンサーに名前を連ねていました。 熱心な観戦者たちは、ひいきのチームを声高らかに応援していましたが、ゲームおよびゲーマーとの高度なインタラクションも切望していました。 インタラクションがあれば、会場にいる観戦者と、リモートからストリーミング観戦しているファンがゲームプレイについてコメントしたり、ゲームを楽しんだり、1対1または複数のプレイヤー同士でリアルタイムにやり取りしたりできます。

Counter-Strike Global Offensiveゲームの世界最強の上位8チームの対戦を見ていたとき、私はすっかり魅了されました。チームの頭上にある高解像度の大型スクリーンには、各プレイヤーの対戦の様子が繰り返し映し出され、それと同時になんと3人ものアナウンサーがスピード感あふれる進行で対戦を実況し、その合間に解説を行っていました。

これらのすべてを可能にする堅牢で安全なインフラを構築するためのESLのネットワーク要件とは、どのようなものか考えてみました。奇妙なことですが、このライブ・トーナメントの間、華麗なシュート・テクニックを披露するNBAのスター選手と同じような注目がネットワークに向けられていました。 画像が固まり、コマ落ちが発生し、ターゲットに命中したタイミングを見逃すことになったら、世界中が目撃するなか、非難がネットワークに集中します。 そして、決して忘れてはならないことは、多額の資金が投じられているということです。

大規模なライブ・イベントに接続性を提供するのは、常に大きな課題となっています。複雑でコストがかかる機器の搬入や大量の機材が必要になります。しかし、このようなインフラが、eスポーツ・トーナメントなどのイベント開催のコア・プラットフォームになり、ゲームがそのコンピューティング能力とネットワークに全面的に依存する場合、リスクは大幅に高まります。不安定さやバッファリングは許容されず、気にならない程度にレイテンシーを抑え、すべての要素に冗長性、安全性、堅牢性を確保しなければなりません。ネットワークの挙動にあらゆる人々の目が注がれています。

ESL Oneで前座を務めたのはバンドやコメディアンではありませんでした。今後のトレンドとして、プロフェッショナル・プレイヤーが数千人のファンの声援に応えて登場し、モバイル・デバイス上で対戦するようになるでしょう。チームeスポーツが完全にモバイルに移行する日は、間違いなく間近に迫っています。 今後は、アリーナの17,000人のファンが5人編成のチームを応援するのではなく、数百人あるいは数千人のプレイヤーが1つのチームを編成し、グローバルなワイヤレス・ネットワークに接続した数億人のファンが応援することになるかもしれません。 これにより、間違いなく、ネットワークの即応性の新たな基準が打ち立てられます。

eスポーツ・トーナメントは、今を時めくこの業界においてネットワークが果たす重要な役割を示す複雑な縮図です。しかし、これは始まりにすぎません。クラウド・ゲームにより、ハイエンド・ゲームコンソールの処理能力をあらゆる画面で体感できるようになり、エッジ・コンピューティングと5Gの組み合わせによって、場所を問わずに充実したゲーム体験を実現するために必要な帯域と低遅延が提供されます。

インタラクティブ性は、新たなレベルへ到達し、eスポーツの進化において新たな可能性を大きく広げます。eスポーツ・イベントのプロデューサーは、この広帯域接続によってサポートされるVR、AR、4Kを利用し、物理的な境界を打ち破り、エンタープライズの定義を塗り替えることを切望しています。eスポーツでは、若年層の観戦者の心をつかみ、ファン・エンゲージを高めるために、ゲームのインタラクティブ体験を活用することに高い関心を示していますが、この方向性は従来の一部のスポーツにも通じる可能性があります。

ネットワークの最前線にいる私たちは、もちろんこのトレンドの傍観者ではありません。これらのあらゆる可能性を現実のものにする実現主体です。私たちは、これらのすべてをサポートするために、帯域と低遅延を提供しなければなりません。しかし、主に提供する必要があるのは、この変わり続ける、最も重要な需要に大規模に対応するネットワークの即応性です。ゲームとeスポーツの進化をサポートするネットワークは、動的かつインテリジェントに適応し、リソースを最適な形で割り当てると同時に、ユーザー・エクスペリエンスを保証する必要があります。そこに到達する方法となるのが、Adaptive Network™ビジョンです。

ゲームの未来を実現するには、より適応型のネットワークが不可欠です。 数字を無視することはできません。ESLは、メイン・イベントの開催日に1日あたり8,500人のファンを動員し、バークレイズセンターを常に満席にします。オンラインで観戦するファンは実人数で合計600万人に達し(同時視聴者はほぼ45万人)、複数のオンライン・ストリーミング・プラットフォームにおける観戦時間は800万時間を超えます。しかも、ESL Oneは世界中の数千のeスポーツ・トーナメントの1つにすぎません。スポーツの次のトレンドはここで示しているとおりですが、それには極めて拡張性の高いインテリジェントでアジャイルなネットワークが必要になります。 貴社のネットワークは適応できますか?

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