モデル駆動型テンプレートがSDNとNFVネットワークに重要なわけ
今ではネットワーク事業者の大半が、サービス・オーケストレーションを使用する目的は複数の異種プラットフォーム間で運用を調整して、ネットワーク管理を統合することであり、これによってDevOpsへの移行の成否が決まり、実際にサービス・オーケストレーションが収益性の高い新サービスの開発と提供を加速させていることを理解しています。
CienaのBlue Planetチームは、この分野で広範な専門知識を培ってきており、お客様が新サービスをより迅速に開発して提供できるようにテンプレート・ベースのアプローチを開発してきました。 実際、Cienaはこの分野の業界リーダーとして、多くのお客様の導入環境で過去数年にわたってテンプレートの使用をきめ細かく調整してきました。
ネットワークとITのプロは、サービスを開発して展開する「旧来」の方法を十分に理解しています。単調で時間がかかり、運用効率が低く、ベンダー特有のハードコードされたバックオフィス・システムに大きく依存するプロセスであり、このようなシステム導入には、カスタム・コードの作成やコストのかかるプロフェッショナル・サービスが必要です。
旧来の方法で新サービスを提供しようとすると時間とコストがかかり、実質的に競争力が低下します。 ネットワーク事業者がAmazonやGoogleなどの大手のクラウド・プレーヤーに追いつくには、何十年と使用し続けてきた静的な手動プロセスから脱却し、新しいプロセスに移行しなければならないことを理解する必要があります。 手動プロセスの代わりに、自動化された協調型のDevOps式のアプローチを採用し、サービス品質の向上、導入までの時間の短縮、常に変化する顧客要件への迅速な対応を促進するように設計されたツールと技術を使用する必要があります。
しかし、ネットワーク事業者は、SDNとNFVネットワーク内でのサービス開発でモデル駆動型テンプレートが果たす重要な役割について、まだ十分に理解していない可能性があります。 だからこそ、その仕組みを理解することに価値があります。テンプレートを使用すれば、新サービスの作成プロセスが容易になり、習得する気持ちさえあれば、実質的にすべての人が新サービスを作成できるようになります。
モデル駆動型テンプレートとは?
一言で言うと、モデル駆動型テンプレートは、設定を指定し、新サービスを提供するときに使用するリソースの関係、依存性、順序付けを定義するために使用します。 また、開発者にとっても、他の新サービスのリソースとして使用される可能性がある再利用可能なビルディング・ブロックを簡単に作成できるので、テンプレートは役立ちます。
シンプルなネットワーク・サービスをより詳しく調べると、モデル駆動型テンプレートの仕組みが見えてきます。 このようなサービスは、顧客構内を起点として、メトロ・ネットワーク・ドメインを横断し、終点のクラウドまでアクセスする可能性があります。 このサービスを設定するには、構内、アクセス、メトロ、クラウドの様々なネットワーク・セグメント間でインターフェイスを設定し、トラフィックがエンドツーエンドでスムーズに伝送されるように調整する必要があります。 このような場合、テンプレートを使用して、設定およびコンポート間の相互接続方法を記述します。
モデル駆動型テンプレートとCiena Blue Planet
CienaのBlue Planetマルチドメイン・サービス・オーケストレーション(MDSO)プラットフォームは、モデル駆動型テンプレートを使用して、エンドツーエンドのサービス・プロビジョニング・プロセスをオーケストレーションして自動化します。 Blue Planetでは、テンプレートはTopology and Orchestration Specification for Cloud Applications(TOSCA)をベースとします。 TOSCAは、Organization for the Advancement of Structured Information Standards(OASIS)が策定した業界標準であり、仮想化サービスとアプリケーションのオープンな共通定義を提供します。定義対象には、コンポーネント、関係、依存性、要件、機能が含まれます。
TOSCAは、IT、製造業、クラウド・サービスなどの多くの業界で広範に採用されています。 TOSCAは、元々はクラウド・アプリケーションのオーケストレーション用に開発されましたが、トポロジーとオーケストレーションの記述や豊富なセマンティクスの提供が可能であるため、ネットワーク・アプリケーションの記述にも適しています。 結論を言えば、TOSCAテンプレートを使用することで、基盤となるプラットフォームやインフラストラクチャーにかかわらず、エンドツーエンドでサービスの設計および管理を簡易化できます。
ネットワーク事業者は、Blue PlanetとTOSCAテンプレートを使用して、あらゆる物理リソースと仮想リソースから構成される新サービスの導入を定義して自動化できます。 Blue Planetを使用して物理ネットワーク全体でサービス作成を自動化するとき、例えばネットワーク事業者が顧客構内にある物理的なルーターを使ったサービスを提供しているかもしれません。 その後で、物理的なルーターと機能的に同等な仮想化ルーター(vRouter)に対応する新サービスを作成する可能性があります。 そうすることで、事業者はBlue Planet DevOps Toolkitを使用して、vRouterをオンボーディングし、既存のオーケストレーション・テンプレートを活用してルーターを設定して起動することができます。 このように、事業者は物理サービスと仮想サービスの両方にわたってサービス・デリバリーを自動化することができます。
次のステップ: モデル駆動型テンプレートの導入
ネットワーク事業者がサービス・デリバリーを自動化すると、サービスを「オンデマンド」でターンアップできるようになります。これにより、30日から60日かかる従来のサービス・ターンアップと比べて期間を大幅に短縮できます。 ネットワーク事業者は、Blue Planet、TOSCA、およびモデル駆動型テンプレートを活用して、新サービスを数秒または数分以内にオンデマンドで自動化して市場に投入することができます。
Blue Planet DevOps Toolkit and DevOps Exchange Communityは、Blue Planetのお客様とエコシステムのパートナー間のオープン・スタイルのコラボレーションを促進することにより、これらのテンプレート機能を補完し、利用可能なリソース・アダプターとサービス・テンプレートのライブラリを備えます。 大規模なキャリアやMSOなどの多くの組織に導入され、豊富な実績を誇るBlue Planetテンプレートは、ネットワーク事業者がオープンで迅速な自動化されたネットワーク/運用プロセスを確立するうえで不可欠です。
テンプレートの導入とDevOpsの文化を学習することで、ネットワーク事業者の社内の製品チームとIT運用チームのコラボレーションが向上します。 結局のところ、テンプレートは、ネットワーク事業者が相互接続されたエコシステムを迅速に構築するのに有効であり、新サービスを展開するまでの時間の短縮や絶えず変化するビジネスのリクエストへの迅速な対応に役立ちます。