Ovumによると、アジア太平洋地域のモバイル・データの年平均増加率は30%に達し、IP/MPLSルーティング・ネットワークのビットあたりのコスト削減率は20%に留まっています。今日のIPネットワークで解決すべき最も緊急性の高い課題は、帯域だけではなく、持続可能な運用です。 加えて、ネットワークに何かを追加する場合には、既存のアーキテクチャーとの互換性が必要です。

このようなIPの現実に向き合うために、CienaはAdaptive IPTMを発表しました。 ネットワーク事業者はAdaptive IPを使用することで、新しいアプリケーションのサポートに必要なIPの必須機能のみを設定すればよくなり、また、クラウドのようなスケールアップ、ディスアグリゲーション型の機能、自動化されたインテリジェンスによってネットワークを強化できます。 こうした機能の組み合わせにより、より単純で簡素化されたIP接続が可能になり、スケールメリットを実現することができます。

Adaptive IPは、既存のサービスとアプリケーションをサポートすると同時に、5GやIoTなどの新しい使用事例の基礎を築きます。

IPネットワークの潜在的な能力を最大限に引き出すソフトウェアの役割

Adaptive IPは、CienaのAdaptive Network™アーキテクチャー・ビジョンのユースケースであり、ディスアグリゲーション型のプログラマブルなパケット・インフラストラクチャー、Software-Defined Networking(SDN)ベースの制御、リアルタイムのネットワーク・テレメトリーを用いる機械学習ベースの分析を軸とした自動化を統合しています。

ソフトウェアがAdaptive IPアーキテクチャー内で果たす役割は、次のとおりです。

ソフトウェア制御と自動化

新しいアプリケーションには、ネットワークのエッジに配置され、必要に応じてスケールアップとパフォーマンスを動的に提供するIP機能が必要です。 これを達成するには、高度に機能化されたネットワーク・インフラストラクチャーから配信されるテレメトリーを用いたインテリジェント自動化を活用する方法が最も効果的です。 Blue Planet® Multi-Domain Service Orchestration(MDSO)は、複数のマルチベンダー・ドメインの集中化されたSDN制御により、このようなアーキテクチャーの転換を可能にします。

レガシーIPソリューションでこのタスクを実行するのは、導入コストが高く、増加の一途をたどるハードウェア・ベースのルーター・プラットフォームです。 これとは対照的に、ソフトウェア制御と自動化レイヤーは、ノード・ベースのコントロール・プレーン・シグナリングを減らし、大幅に単純化された費用対効果の高いネットワーク・インフラストラクチャー・プラットフォームを実現します。 Blue PlanetのSDNベースのソフトウェア・プラットフォームにより、これを達成できます。

Blue Planet Intelligent Automationはマルチベンダーのハイブリッド・ネットワーク環境で動作するため、すべてのネットワーク事業者がボックス中心のレガシーIPアプローチを脱却し、シンプルで自動化されたネットワーク設計への道のりを容易に歩み始めることができます。これにより、レガシー・サービスを最も効率的にサポートしながら、アプリケーション要件の次なる潮流に向かって準備することができます。

分析とインテリジェンス:

Adaptive IPソリューションは、CienaのBlue Planet Analytics(BPA)を活用します。BPAには、Ciena製、サードパーティー製、ハイブリッドのあらゆるネットワークの高度な分析を導き出す効果的な機械学習が取り入れられています。 このネットワーク・データの収集、処理、保存用の堅牢で柔軟なCienaのフレームワークは、拡張性の高いオープンなマイクロサービス・ベースのアーキテクチャーを基盤とし、分析ベースの革新的なアプリケーションを円滑に実行します。

Blue Planet Route Optimization and Assurance(ROA)は、CienaのAdaptive IPソリューションの重要な要素であり、基本的なIP/MPLS管理に欠けている機能を補います。 Blue Planet ROAにより、ネットワーク機器に加えて、ドメイン・コントローラーやBlue Planet MDSOなどのサービス・オーケストレーターからもリアルタイム・テレメトリーを収集し、ネットワーク・フォレンジック機能を提供することができます。 このようにIP/MPLSネットワーク・コントロール・プレーンを可視化できるため、特定のトラフィックがレイヤー3 IPネットワークを横断している状況やパフォーマンスを最適化できる場所を常に正確に確認できます。 ネットワークのインテリジェント自動化に適した設計のBlue Planet MDSOは、Blue Planet ROAとの統合により、高度な分析とオーケストレーションの機能を提供し、Adaptive IPネットワークに向けた移行を加速します。

大半のネットワーク事業者は、多様なサービスと基幹業務をサポートするために、複数のインベントリー・システムを導入しています。 しかし、従来のインベントリー・システムはオフラインで動作し、主に回線ベースの物理ネットワークをサポートするために開発されているため、サービス/ネットワーク・リソースの表示が静的で断片化されています。 サービス・プロバイダーは、コストを削減し、顧客の期待に応えるためによりソフトウェア中心のオンデマンド・サービスの提供を開始するという高まるプレッシャーにさらされています。 これらの要件には、CienaのBlue Planet Inventoryを使ってネットワークとサービスのすべてのリソースをエンドツーエンドの動的な統合ビューに表示して、運用プロセスを合理化することで対応できます。

Adaptive IP:アクセスからメトロまでのオープンなIPネットワーク・アーキテクチャー

Adaptive IPは、費用対効果の高い方法でアクセスからメトロまでのネットワークにIPベースの接続を提供するように特別に設計された、Cienaの革新的な新ネットワーク・アーキテクチャーです。 Adaptive IPは、CienaのAdaptive Networkビジョンのユースケースであるため、ソフトウェア制御、自動化、分析、インテリジェンス、インベントリーをオープンな方法で活用します。つまり、ネットワーク事業者は、特定のビジネス・ニーズに必須の構築ブロックだけを選択できるということです。 Adaptive IPは、既存のIPネットワークとの完全な互換性を備え、Adaptive Networkへの移行時に可視性、ネットワーク・パフォーマンス、自動化を向上させます。