アジア太平洋全域のメトロ・ネットワークのデータ需要は、従来のネットワーク・コスト・モデルの対応範囲をはるかに超える急速なペースで増加しています。  これは、主な3つの市場の変化によって加速されています。 

  • リッチ・メディア・サービス – 高解像度ビデオ/オーディオ・ストリーミング・サービス、企業のビデオ会議、時間と場所に縛られずに仕事をする文化が浸透したことで急増したモバイル・データ利用など、リッチ・メディア・アプリケーションの利用可能度と使用率が向上しています。 
  • クラウド・アプリケーションとサービス – ビジネス・アプリケーションと消費者アプリケーションの両方でクラウド・ベースのアプリケーションの利用可能度が向上していることに加え、eコマースとバンキングのトラフィックが急増しています。  
  • モノのインターネット(IoT) – スマートシティー、エンタープライズIoTサービス(AWSのGreengrassなど)、スマートウォッチなどの消費者IoTにおいて、インターネット接続デバイスが使用されています。 また、ネットワーク接続のスマートビークル/自動運転車、AR/VRアプリケーションとサービスが必需品になる日も間近に迫っています。

それに加え、アジア太平洋では一般ユーザー向けの5Gが目前に迫っています。これは、単なる帯域の問題ではなく、遅延が許されないメディアリッチ・アプリケーションの新たな潮流の創造であり、人間が周囲の世界とやり取りする方法を一変させるM2M(Machine-to-Machine)アプリケーションの真の意味での実現です。 

このような変化により、特にアクセス・レイヤーと統合レイヤーにおいて、サービス・プロバイダーはネットワーク容量を大幅に拡張し、最高のカスタマー・エクスペリエンスを実現する必要に迫られています。

しかし、現在一般に使用されているような従来型のネットワーク・アーキテクチャーのアプローチを採用し続ければ、サービス・プロバイダーは収益性の低下または顧客離れを避けて通れなくなります。

  • 顧客の需要に対応するために従来型アプローチへの投資を続ければ、トータルコストの大幅な低下を招いて、収益性への影響を抑えられなくなります。 
  • 投資をしなければ、カスタマー・エクスペリエンスの質に影響し、解約率の上昇につながります。

このジレンマを解決するには、下記に示す5つの基本要素を備えた新しいネットワーク・アーキテクチャーが必要です。

1)将来のネットワークには高い拡張性とプログラマビリティーが必要 – ムーアの法則は、コンピューティングの分野にだけ適用されるわけでありません。コヒーレント光技術の登場により、コストを削減すると同時に、データ伝送レートを飛躍的に高めることができます。 テレメトリーとソフトウェアの設定可能性を実現するオープン・インターフェイスに加えて、このプログラマブルなスケーラビリティーは、将来のすべてのインフラの基盤になります。 実際、テクノロジーは既に存在しています。

2)将来のネットワークにはディスアグリゲーションと汎用性が必要– モノリシックなプラットフォームと組み込みコントロール・プレーンを使用してネットワークを構築する従来型のアプローチは急速に姿を消しつつあります。 現在、ソフトウェア自動化のインテリジェントな個別レイヤーの最新アーキテクチャーと、トランスポートをサービス機能から切り離して、仮想化によって拡張を容易にするプラグアンドプレイ型のネットワーク・インフラ・エレメントに置き換えられています。 実際、サービス・プロバイダー・ネットワークは、近年データセンターに用いられている手法によって構築されています。 これが意味することは、個々のネットワーク装置の処理能力とストレージの要件が緩和されるため、ネットワークの全体的な設置スペースや、不動産、電力と冷却、保守とサポートなどのさまざまなコストの削減に役立つということです。

このようなプログラマブルなディスアグリゲーション型の仮想ネットワークにより、機能ごとに「サイロ化」されたネットワークを構築する従来型のアプローチとは対照的に、新しいサービス・タイプを必要に応じてすべてサポートできます。 つまり、ビジネス・イーサネット、モバイル・バックホール、クラウド接続、住居用ブロードバンドなどのさまざまなサービスを費用対効果が高い、同一のネットワークで、オンデマンドに提供することができます。

3)将来のネットワークには高いスペース/電力効率が必要 – レガシー・ネットワーク・インフラでは、新しい容量の拡張と新サービスのサポートのために、通常は追加のハードウェアが必要になります。 その結果として、レガシーIP/MPLSルーターなど、インフラが無秩序に増加します。これにより、データセンターで広い設置スペースが必要になり、電力と冷却、保守とサポートなどのさまざまな要件が増大するため、OPEXが上昇します。 将来のネットワークでは、ディスアグリゲーションによって大幅に効率が向上します。また、極めて少数の非常に拡張性の高いプラットフォームにトラフィックを統合し、上位レイヤー・サービスでコンピューティングを可能な限り仮想化することで、スケールメリットを向上させることができます。

4)将来のネットワークには自動化と適応性、自己認識と自己修復が必要 – プロビジョニングをはじめとする運用タスクには、特にマルチベンダー環境では、大量のリソースが必要になります。 社内の複数のチームが関わるプロビジョニングの意思決定、新しいサービスの設定、ルーティング、市場投入までの時間は、必要な容量が既に存在している場合でさえ2年の期間を要することがあります。 将来のネットワークははるかに即応性が向上しており、インテリジェントな自動化を使用して主要なコンポーネントとビジネス・プロセスをデジタルで変革します。 また、SDNのインテリジェントな自動化レイヤーを備えた将来のネットワークは、自己認識型、適応型であり、トラフィックのボトルネックやその他の問題を予測し、顧客向けサービスの品質を損なわないように機能します。

5)将来のネットワークにはオープン性と管理の容易さが必要 – マルチベンダー・テクノロジーと複数のカスタム・インターフェイスを管理して、ネットワーク装置をOSSなどのノースバウンド・システムにリンクするには、ネットワークの管理とサポートに膨大なコストと時間がかかり、複数のシステムが必要になる可能性があります。 将来のネットワークは、オープンかつプログラマブルなインターフェイスにより、単一の直観的なインターフェイスから、複数のネットワーク・ドメインとマルチベンダー装置の管理をサポートし、独自仕様のソフトウェアによるロックインを解消します。

準備はできていますか? 

貴社のネットワーク変革がどの段階であれ、Cienaの将来のネットワーク・ビジョンに向かって前進することで、帯域とサービスをオンデマンドで拡張し、運用効率を向上させて、顧客にさらに大きな価値を提供することができます。 詳細については、 www.ciena.com/metro-network-evolution/にアクセスしてください。